私は一部上場企業に勤めているが、社内の多くの組織が腐敗している。
何故、組織は腐るのか。
個人が腐敗してから組織が腐敗するわけだから個人が腐敗する理由を考える必要がある。
個人が腐敗するかどうかは、自分の利益への正直度合いで決まる。
自分の利益に正直で私利私欲で動くことをためらわない個人はすぐに腐敗する。
分かり易い例は社内の出世競争だろう。
既に腐りかけている男たちが役員を目指して私利私欲に走る。
出世競争を勝ち抜くための過程で完全に腐敗し、株主の利益を顧みずなりふり構わず行動する。
私はこれまで多くの腐りかけている男たちが社内での地位を築くために私利私欲に走る様子を見てきたし、他の多くの会社でも同じことが起きていることは容易に想像できる。
そして、出世を目指す男たち以外にも多くの人間が私利私欲に走る。
会社を動かすキャッシュを日々生み出している営業や生産の現場で働く人々だ。
私にとって問題なのはこれらの腐敗だ。
出世競争による個人の腐敗は、私にとってはどうでも良い。
誰が出世しようが私には関係無いが、現場で働いている人々に私利私欲で動かれるのは困る。
彼らが私利私欲で動くことで社内外で問題を起こし、結果的に私に不利益が生じるからだ。
私が所属する組織にも私利私欲で動く奴がいるし、周りの組織にも同じような奴がいて、問題を起こし組織を腐敗させている。
こいつらは倫理観や責任感が無いので放っておくとすぐに悪さをする。
放っておくと悪さをするんだから、こいつらが悪さを出来ないようにしなければならない。
こいつらを100%止めることはできない。
しかし、10年近いサラリーマン経験から考えると、緊張感が醸成されていれば悪さの多くは防げることが分かった。
今回は10年近いサラリーマン経験から考える健全な組織運営について書いていこうと思う。
まず管理職が機能していないことを認識する
健全な組織運営のために、まずは管理職が機能していないことを認識しなけらばならない。
これが大前提。
管理職は無能が多い。
私が勤める企業の管理職も機能していないどころか、健全な組織運営にとって邪魔な存在と化しているのが多い。
能力故に管理職という立場に就いている人間は非常に少ない。
だから、そいつらに組織の管理を任せて上手くいくことはない。
組織を管理するための能力やノウハウはおろか、決断力や調整力を持っている者は皆無と言っても良く、結局は部下任せの奴が多い。
人の上に立つ者として耳障りの悪いことを説明しなければならない場面で逃げ回ったり、中途半端な言い回しで立場を明確にせず、部下を混乱させる奴の多いこと。
結局は部下達の努力と調整で落ち着くところに落ち着くのを待つ。
それで結果が出たら、自分の手柄として報告する。
部下に優秀な人材がいれば組織は形になるが、優秀な部下がいない場合は組織が崩壊する。
管理職に任せても健全な組織運営は出来ないことを認識する。
まずこれが大前提。
健全な職場3”ない”原則
労働経験がある社会人ならば管理職が機能していないことをよく理解できると思う。
管理職が機能していない(むしろ邪魔をしている)以上、組織運営を管理職に任せっきりにしない別の方法を考える必要がある。
会社の事業活動を回すキャッシュを生み出す現場を腐敗させないための仕組みを作れば良い。
組織運営を各管理職の裁量に任せるのではなく、会社として一律の仕組みを作るということ。
仕組みを作る時に重要なのは、隠させ”ない”、作らせ”ない”、群れさせ”ない”の健全な職場3原則だ。
たいてい、無責任な奴らや倫理観の無い奴らは、隠す、作る、群れる。
この3つを封じる仕組みを作ることで組織の腐敗を未然に防ぐ。
まずは、「隠させない」。
無責任な奴らや倫理観の無い奴らは、自分に不都合なことを「隠す」。
オーダーを入れ忘れた、発注タイミングを間違えて不要な在庫が発生した、取引先に送ってはいけない資料を送った・・・など。
組織に迷惑をかけるようなミスをした時、すぐに周囲に報告・連絡・相談し、リカバリーを図る。
これらは社会人として当然のことだが、奴らはできない。
まず考えることが自分の利益なので、短絡的に「隠す」という行動に出る。
隠すことでその場しのぎはできるかもしれないが、どこかで問題が発覚する。
無責任な奴らや倫理観の無い奴らが「隠す」ことでリカバリー不可能になってしまう。
この「隠す」行為をさせない方法は簡単だ。
業務状況の組織への共有を必須にすれば良い。
自分の口で業務の状況を報告・説明させる。
要点だけの説明であれば3分もかからなし、問題が無ければ、1分もかからないだろう。
次に「作らせない」。
無責任な奴らや倫理観の無い奴らは自分に都合の良いルールや習慣を「作る」。
無責任な奴らや倫理観の無い奴らを放っておくと、彼・彼女ら自身の利益だけを追求したルールや習慣を作られてしまう。
自分が楽をしたり、ミスを隠すための勝手なルールや習慣だ。
対策は次項で説明。
最後に「群れさせない」。
無責任な奴らや倫理観の無い奴らは単独でも組織を壊す。
そんな奴らに群れられたら組織は完全に崩壊する。
無責任な奴らや倫理観の無い奴らを「群れさせない」。
こちらも対策は次項で説明。
短期間での業務ローテーションと引継ぎ作業の考課対象化
無責任な奴らや倫理観の無い奴らに、作らせず、群れさせないための施策は、短期間での業務ローテーションと引継ぎの考課対象化。
まず、短期間での業務ローテーション。
最長でも同部署在籍は3年。
問題が起きている部署を見ると、在籍年数が長い人間たちが問題を起こしているケースが少なくない。
私が勤める会社だけでなく、取引先を見ても、一般職は異動が無く、ずっと同じ部署に在籍することが多いと思う。
在籍年数を長くすると、自分勝手のルールや習慣を作る。
そして、異動させずメンバーを固定するとそいつらが群れる。
群れて自分達が楽をするためのルールを作り、隠す。
こうして組織が崩壊する。
次に引継ぎの考課対象化。
短期間での業務ローテーションにより、メンバーの固定を防ぐ。
そして、異動させる時の引継ぎを考課対象化することで、在籍中の自己中心的な行動を予防する。
日本の会社は引継ぎを軽視しすぎだ。
引継ぎが軽視され過ぎているせいで無責任な奴らや倫理観の無い奴らが好き放題できてしまっている。
引継ぎをなあなあにせず、考課対象として内容を精査する。
普段、部下の状況を全く把握できていない管理職も引継ぎを聞くことで問題の有無を把握できる。
後述するが、引継ぎにより個人の特質や能力が浮き彫りになる。
引継ぎによって問題を炙り出すことができる。
引継ぎ書を作成させるだけでも個人の特性と能力がすぐに分かる。
どれだけ頭を使って仕事してきたかが分かる。
引継ぎを重視することで健全な組織運営が可能になる。
最後に
今回は組織運営について書いた。
サラリーマンになって10年弱。
最初は、無能な管理職の多さと腐敗している組織の多さに戸惑ったが、もう慣れてきたし解決策も分かった。
私が勤める会社の中には腐敗している組織が多いが、今日書いたことを採用するだけで劇的に変わると思う。
健全な職場3”ない”原則と一般職の採用停止・削減により日本の会社は間違いなく良くなる。
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